2004年06月14日
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皇国の守護者 8 楽園の凶器

Written By: 川俣 晶連絡先

 佐藤大輔は凶悪な作家である。

 読者の期待するものを与えそうで与えない。

 この8巻は、クーデター開始の時期から始まるドラマである。「ああ、このクーデターはどうなってしまうのだろう」と読者を盛り上げたところで、急に話はクーデターの前に飛び、そこに至るドラマが語られて終わってしまう。つまり、主人公がいかにしてクーデターを収束させるのかという読者最大の興味への答えは与えられない。

 それでいて、中身がスカスカで無い、ということはなく、興味深い話が延々と綴られている。だから、けして文句を佐藤大輔に叩き付けることができない。

 実に凶悪である。

 というわけで、9巻を至急書き上げることを求めるものである。